まえがき
Blenderでモデリングする方法として、面を伸ばしたり貼り付けたりするポリゴンモデリングが一般的となっていますが、筆者はポリゴンの頂点をブラシ等で操作していくスカルプトと言うモデリングの方法を推奨しています。
操作が直感的で、粘土をこねるように造形する事が可能で凄く楽しいのでパソコンのスペックが足りていれば遊んでみて頂きたいです。
本記事では最終的に、画像の頭部を作成します。

記事の中でブラシの名前を出していますが、作業する際に同じブラシを使う必要はないです、ブラシの好みは個人差があると思うので自分の操作しやすいブラシを使ってください。
ビューの操作方法や基礎的な部分は省いてるので各自で確認お願いします。
Navigation(視点の操作)
環境
Blender4.0.1
ペンタブ XP-Pen Deco01V2
ペンだけ傾き検知のない古いタイプを使ってます。
絶対ではないですが、ペンタブ推奨です。
スカルプト
Blenderスカルプトのメリットとデメリット
メリット
デメリット
注意事項的な何か
GIFで手順を段階的に追っている人は同じタイミングでデータを保存しておきましょう。気に入った造形が出来たら複製しておけば失敗した際にもやり直しが利きます。
作業の際に投影方法(平行投影と透視投影)を切り替える事があります。
主に平行投影で作業する事で、モデルの整合性が取りやすくなると思います。
(ビューポートの焦点距離を設定している場合はその限りではありません)
初心者向けのチュートリアル等で紹介されることの多い、頂点数をブラシサイズ等に応じて増やしながらスカルプトが出来るDyntopo(ダイナミックトポロジ)と言う機能があります。
機能自体は素晴らしいもので、活用の場所も多いのですが、造形することに慣れていない間は、操作が煩雑になり造形の難易度をはね上げてしまうので、筆者は慣れるまでの間、Dyntopo(ダイナミックトポロジ)の使用を推奨しておりません。
スカルプト
Blenderを起動した際に出てくるスプラッシュ画面のスカルプトを選択してスカルプトを始めます。もしスプラッシュ画面をスルーしてしまった方はファイルから新規→スカルプトを選択してください。

スカルプトの新規ファイルにはクアッドスフィアが用意されているので、スムーズに作業に入る事が出来ます。
それでは、早速スカルプトモードに入り、グラブブラシを使い、スフィアを卵型に変形させます。
Fキーでブラシサイズを変更できます
GIFをサムネ表示しています。
クリックで読み込みます。

変形させたら、ボックスマスク(Bキー)で前側の下を全体の4分の1程度マスクします。

マスク選択したら、マスク反転(Ctrl+I)でマスクを反転させます。
非マスク部分を下側にグラブブラシ等を使い伸ばします。これで顎が作成されました。
正面ビュー等を確認しながら調整をします。

顎が作成できたら、マスク解除(Alt+M)し、全体を軽く調整をします。

形が整ったら、ドローシャープブラシを使いアタリを付けて行きます。

マスクした部分との境界が気になる方は先にスムーズブラシ(またはShiftを押しながら操作)で頂点の位置をスムーズで調整します。
目元のポリゴンが少なくドローシャープブラシが入りにくい場合は、グラブブラシで後方に下げてあげます。
アタリを作成したら、鼻の部分をグラブブラシ等で前面に盛り上げます。

鼻以外の部分が追従してくる場合はマスクブラシで鼻の部分をマスクして伸ばします。
彫りを深くして顔のパーツにメリハリを付けます。
リメッシュ前のローポリのタイミングは形状の変更が容易なので、ここで整った顔立ちにして行けると後半の作業でも楽に進める事が出来ます。


細かい調整を済ませたら、首を作ります。
首の位置にマスクをし反転して、スネークフックブラシ等で下側に伸ばします。

首が作れたら、目と鼻の高さに合わせて首の付け根にスネークフックブラシ等で耳を作り伸ばしていきます。
慣れるまでは、マスクを使って影響範囲を耳だけに絞り回転や移動をするのがオススメです。

リメッシュ
ここまで作成出来たら、ポリゴン数を増やす為にリメッシュを行います。
リメッシュの際に環境によっては処理落ちしてしまう事もあるので、必ず上書き保存しましょう。
Rキーを押すことでグリッドが出てきてリメッシュするサイズ感が分かります、リメッシュボタンを押すかCtrl+Rでオブジェクトがこのグリッドと同じサイズ感でリメッシュされます。

リメッシュ後は増えたポリゴンを盛ったり削ったりしやすいのでクレイブラシを使い調整します。

スフィアを用意してミラーモディファイアーを追加し、編集モードで位置と向き(X軸で90度回転)を調整します。

眼球の位置も調整しながら、目元をスカルプトします。

ここまで来ると、パソコンのスペック等に合わせてリメッシュを行いながら、ひたすら違和感と戦い調整していく事になると思います。イメージとしてはゲームのキャラクリをするような形で弄っています。

顎や首の太さで顔の印象が大きく変わると思います。

このような進め方で、ある程度の造形に仕上がったらリトポロジーを行いますが、記事のGIFも増えてしまっているのでリトポロジーに関しては記事を分けて改めて紹介したいと思います。
おまけ
静画で出力して完結したい人向けにスカルプト頂点ペイントの紹介です。
ペイントブラシを使う事で頂点に色を付ける事が出来ます。
Zbrushで言う所のポリペイントの様な機能です。

ブラシの色は変更できます。
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